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LLMを使ったOCRとは?仕組みとメリット・適した業務を解説

作成日:2026.1.30

更新日:2026.9.28

LLMを使ったOCRとは?仕組みとメリット・適した業務を解説

*記事の内容は、記事公開日時点の情報です。現在とは異なる場合があります。

画像内の文章を読み取るOCR製品の中には、LLMを搭載したものもあります。

この記事では、LLMとは何か、OCRに使うとどのようなメリットがあるのかを解説。さらに、活用できる業務の例も紹介します。

現在使っているOCRに課題を感じている方や、生成AIを使ったOCRで業務の効率化を進めたい方はぜひご覧ください。

LLM(大規模言語モデル:Large Language Models)とは

大規模言語モデル(以下、LLM)とは 「言語の構造や文法を理解する」「テキストの意味を推測する」といった自然言語処理タスク(NLP)を遂行するために膨大なテキストデータを使用してトレーニングした人工知能のモデルのことです。

言語モデルとは、入力した文字列に対して「次にどんな単語が続きそうか」を確率で予測し、出力するものです。ChatGPTはLLMを使った対話サービスの代表的な例といえるでしょう。

LLMを利用すると、文脈の理解や要約・分類などデータに対する幅広い処理が可能です。OCRをはじめ、さまざまな分野での活用が期待されています。

LLMを使ったOCRの仕組み

LLMを使ったOCRとは、従来のOCRにマルチモーダルなLLMを組み合わせたものです。

マルチモーダルとはテキストや画像、音声、数値など複数種類のデータを一度に処理できる機能・特性のことを指します。近年のLLM(ChatGPT、Geminiなど)はテキスト以外のコンテンツも大量に学習していることから、大規模マルチモーダルモデル(LMM)と呼ばれることもあります。

OCRは通常画像から文字を読み取ってデータ化を行いますが、LLMを使ったOCRは書類画像からただ文字を読み取るだけでなく「どこに何が書いてあるか」まで理解してから使えるデータに変換します。例えば文字や罫線、段組みの有無、位置情報などを読み取ってから、言語モデルがそれらを手がかりに見出し・本文・表・項目名と値の関係を判断するなどです。

LLMを使ったOCRにはほかにも「何らかの要因により、形状が不安定に見える文字でも判別しやすい」「LLMならではの文字修正・加工が可能」等、さまざまなメリットがあります。詳しくは次項で解説します。

LLMを使ったOCRのメリット

多くの企業で、業務効率化やDXに対するニーズが高まっています。自社でも何らかの取り組みを行いたいと考えている企業も多いでしょう。

LLM OCRは、LLMを搭載していない従来のOCRに比べて高い読み取り精度を期待できるため、業務効率化やDX推進に役立つ技術として注目を集めています。

本項では、LLMを使ったOCRの具体的なメリットを紹介します。

多様なフォーマットに対応できる

LLMを搭載していない従来のOCRは「どの文字がどの項目に対応するか」を判断できませんでした。そのため帳票上の「取引先名」「請求日」「金額」など、項目がある位置の情報をシステムで指定し、あらかじめ登録する必要がありました。

そのため、帳票のフォーマットが取引先によってバラバラ、といった場合には運用が難しいケースもありました。しかしLLMを使ったOCRは、多様なフォーマットの帳票に対応が可能です。

LLMを使ったOCRの場合、レイアウト上にある項目の位置を指定しなくても、レイアウトと項目の相対的な位置関係、文脈などを理解して項目を推定できます。

文脈から項目を推定するため、LLMを使ったOCRは帳票のレイアウトが多種多様であっても比較的高い精度で読み取りができます。そのため「取引先から送られてくる帳票のレイアウトがバラバラ」「アンケートの集計など帳票以外の業務に利用したい」といった場合にも活用可能です。

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さまざまな状態の文字を読み取れる

LLMが搭載されていない従来のOCRは活字の読み取りを行うのが前提で、手書き文字などクセや崩れのある文字の読み取りは苦手としていました。しかし、LLMを使ったOCRは、傾きや影がある書類、手書き文字が含まれる書類であっても、文字の欠損・壊乱が大きくなければある程度の読み取りが可能です。

LLMは文字形状が崩れている場合でも多少であれば情報を補完できるため、例えば「取り消し線がある文字列」のように線や印影が重なっていても、文字データとして出力できる可能性があります。その他にも「社判と社名が重なっている」「文字の背景に画像や色彩がある」「偽造防止用の地紋・透かし模様がある」といった文書も比較的柔軟にテキストを判別できる傾向にあります。

また、OCRで誤読が発生したとしても、LLMが整合性を判断して補正を行います。例えば読み取った文字が「領収書の発止日」だった場合「発行日」に、「合計金頒」だった場合「合計金額」にといったように、文脈に合う形への補正が可能です。

そのため、LLMを使ったOCRは「手書きの書類でもデータ化しやすい」「スマホ撮影など影や傾きが出やすい画像データでも読み取りやすい」といった点で使いやすく、画像補正など、取り前の下準備にかける時間を削減できます。さらに誤読箇所の修正や再読み取りの手間も減らせる可能性があります。

項目名の表記揺れを統一できる

LLMを使ったOCRでは、事前設定により表記揺れを統一できるものもあります。

例えば「7年4月1日」「7/4/1」「2025年4月1日」など、帳票によって日付の表記が異なる場合があります。このままでは各データをマスタとして集計した際に、ソートがかけにくい、後続システムに流し込めるデータにならない等、運用上の難点になることがあります。直接修正するにしても、膨大な時間を要するでしょう。

そこで活用できるのがプロンプト(指示)です。LLMに「これらの表記について、年はすべて4桁の西暦で出力すること」等のプロンプトを事前に入力しておくことで、表記揺れを統一した状態で出力できます。

また、LLMは「請求書番号」「請求番号」「Invoice No.」 など、同じ意味の言葉を同一項目として整理・認識することも可能です。このように、手作業での項目名や表記ゆれの修正が不要となるため、業務効率が高まるでしょう。

ただし、製品化されたOCRによっては、組み込まれているLLMに指示ができないケースもあります。導入の際は表記統一など、柔軟な設定が可能な製品か、事前に確認しておきましょう。

多言語に対応できる

LLMが搭載されていない従来のOCRでは、日本語「レ」と英語「L」など、形状が似た異なる言語の判別が難しいため単言語の読み取りが前提で、設定言語とは異なる言語が混在する文書では文字の認識精度が低下しやすい傾向がありました。

しかし、国内外のデータを学習しているLLMは多言語を習得しており、言葉をまたいでも文脈を理解できます。そのため、複数言語が混在した書類でも精度を維持しやすいケースが多くあります。

複数言語が混在する書類を利用する場合には、業務効率の向上が期待できるでしょう。

出力の際に要約や整理が可能

LLMを使ったOCRは、意味を理解して文字を読み取るため、単なるデータの抽出だけでなく読み取った情報の整理や要約も可能です。上手に活用することで、さらに業務効率が向上する可能性もあります。

例えば「抽出した文字データを集計し項目別で振り分けて表でまとめる」「商談の記録から要点のみを抜き出す」といった利用方法も考えられます。

文字の読み取りにとどまらない、データの活用まで効率化したい場合は、LLMを使ったOCRの検討を導入してみるのもよいでしょう。

当社のAI-OCR「PATPOST」は従来のOCRでは難しかった「表記揺れの統一」や「情報の要約」までを自動化します。自社のバックオフィス業務をどこまで効率化できるか、具体的な機能をまとめたサービス資料でご確認ください。

【関連資料】生成AI-OCRでバックオフィス業務に改革を!「指定項目抽出」機能搭載PATPOST[法人プラン] ↗️

LLMを使ったOCRを活用できる業務の例

LLMを使ったOCRは、さまざまな場面で活用できます。まずは、LLMを使ったOCRを活用できる場面を知り、自社の業務を効率化できるかを検討してみましょう。

経理・会計

経理・会計業務では、LLMを使ったOCRを導入することで多様なレイアウトの請求書や領収書に対応できるようになります。

経理・会計業務においては、受け取った請求書や領収書の金額や日付、取引先名、明細といった情報を確認し、後続システムに入力する必要があります。帳票の数が多いと、入力に膨大な時間がかかってしまうことも少なくありません。

転記作業の削減を目的としてOCRを利用する場合でも、LLMが搭載されていない従来のOCRは各社で書類のフォーマットが異なっている場合は対応できず、さらに表記ゆれの修正は手作業で行う必要がありました。また「o(オー)」と「0(ゼロ)」などの誤認識によるミスも発生しやすい傾向にあります。

しかし、LLMを搭載したOCRは文脈をもとに誤読箇所を補正でき、フォーマットの異なる書類(非定型帳票)の読み取りや表記揺れの補正、項目の並び順の統一も可能です。

LLMを使ったOCRを導入することで、ミスや修正コストの削減につながる可能性があります。

OCR導入による経理・会計業務の具体的な効率化方法と、OCRサービス選びのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】OCRによる伝票処理で業務効率化!選び方のポイントとは? ↗️

契約・法務文書管理

契約・法務文書管理では、LLMを使ったOCRを導入することで、契約書から重要な項目を容易に抽出・確認できるようになります。

契約・法務文書管理の際には、契約書に不備や自社にとって不利になる項目がないか確認しなければなりません。契約当事者や契約開始日・終了日、自動更新の有無、解放条件などの重要項目は特に丁寧に確認するとともに、内容を契約管理台帳に入力する必要があります。

しかし、契約条件等の確認は、数が増えるほど時間がかかります。

LLMを使ったOCR製品のなかには、文書管理機能を持つものや、LLMに向けた条件設定をすることで確認項目をCSVにまとめられるものが存在します。これらを活用することで、特定のキーワードや損害賠償の条件・不可抗力条項などといった条項に関する記載を、類似の表記も含めて発見可能です。

文書を人の目で丁寧に確認し必要な情報を見つける場合に比べると、必要な時間や手間を削減できるでしょう。

人事・総務関連書類処理

人事・総務関連のさまざまな手続きや申請関連の業務でも、LLMを使ったOCRを導入することで、社員データベースや管理システムへの情報を入力する効率が高まります。

人事・管理業務においては、履歴書や職務経歴書から学歴や職務経験、保有スキルといった必要項目を抽出し、データベースやシステムに登録する必要があります。また、さまざまな申請書類を確認し情報を整理するのも人事・管理業務のひとつです。

従業員から提出される書類には、休暇申請書や経費精算書、住所変更届けなどさまざまなフォーマットがあります。また、人事評価シートのように、手書きでの記載が多い書類や自由記入欄が設けられている書類も少なくありません。

こうした書類はLLMが搭載されていない従来のOCRでは読み取りにくく、利用しようと思うと設定に手間がかかるものでした。

しかし、LLMを使ったOCRを導入すれば、フォーマットが異なる書類や手書きの書類も多くの場合文脈から読み取りができます。また、自由記入欄から定性的なコメントを抽出することも可能です。

多様なフォーマットと手書きに対応できるようになることで、書類処理にかかる時間の削減が期待できます。

LLMを使ったOCRを搭載した文書管理システム「PATPOST」では、指定項目抽出AI機能を利用できます。

指定項目抽出AI機能を利用することで、さまざまなデータから必要な項目だけを抽出可能です。抽出したデータはcsvでリスト化して出力できるため、後継システムへの連携をはじめとしたさまざまな用途で二次利用できます。

LLMを使ったOCRを利用したいとお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。

また、「生成AIでOCRはどう変わるのか?」という具体的なイメージを持っていただくため、PATPOSTの実際の操作デモや、つまずきやすいポイントを実例で解説したセミナーアーカイブ動画をご用意しています。

【関連セミナーアーカイブ動画】手入力の負荷を大幅軽減!新機能「指定項目抽出AI」でデータ入力業務を効率化~即日で期待効果を体感できる生成AIの活用~ ↗️

LLMを使ったOCRに対するよくある疑問

LLMを使ったOCRに対するよくある疑問をまとめました。導入前に気になる点があれば、ぜひチェックしておきましょう。

読み取り精度はどのくらい?

OCRはLLMを搭載していても100%正確に文字を読み取れるわけではなく、書類の状態によっては誤読が発生する可能性があります。

例えば、書類が汚れていたり、シワがあったりすると読み取りがうまくいかない場合があります。また、読み取れなかった文字をLLMが補完する際にハルシネーションが発生してしまうことも、誤読が生じる原因のひとつです。

LLMを使ったOCRは90%前後の精度で読み取りが可能ですが、 100%にはならないため、目視での確認は欠かせません。

AI-OCRの読み取り精度について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】調査結果公開!OCRの宿敵「手書き文字」、AI-OCRの読取精度は●%だった! ↗️

LLM搭載のOCRは、従来のOCRを使うより業務が早くなる?

LLMを使ったOCRは、LLMが搭載されていない従来のOCRと比べて多くの計算を必要とします。そのため、読み取りから出力までの時間は、従来のOCRより長くなる可能性があります。

ただし、従来のOCRよりもLLMを使ったOCRの方が読み取り精度は高い傾向です。読み取り精度が上がると修正工数を減らせるほか、LLMを搭載したOCR製品のなかにはLLMを活用した付加機能がついているものもあるため、結果として LLMを使ったOCRを利用した方が業務全体の効率は高まる可能性があります。

LLMによる高度な抽出も、基本のOCR導入軸が必要不可欠です。OCR導入のメリット・デメリットと具体的な活用法については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】OCR導入のメリット・デメリットとは?コスト削減と業務効率化を実現する活用法を解説 ↗️

セキュリティは大丈夫?

個人情報を含む重要な企業情報を取り扱う場合には、セキュリティ面を考慮して製品選びを行わなければなりません。

導入の際に確認・検討すべき要素としては次のようなものが考えられます。

  • 利用するサーバーが国内か、海外か

  • 送信したデータが学習に利用されないか

  • 通信・保存時の暗号化に対応しているか

  • プライバシーマークや情報セキュリティ認証を受けているか

個人情報や機密情報が流出すると、企業の競争力や信用が揺らぐ可能性があります。 オンプレミス型は自社内でカスタマイズしやすく、自社のセキュリティ要件にあった環境を構築しやすいのが特徴です。一方運用管理でコストがかかるため、自社の状況に応じて、セキュリティ基準が明確なクラウド型を検討するのもよいでしょう。

また、自社で直接LLMを扱う場合には、データをLLMの学習や解析に利用することを拒否する「オプトアウト」の有無を確認し、必要に応じて設定をしておきましょう。

自社の業務にLLMを使ったOCRが合うか検討しよう

LLMを使ったOCRでは、多様なフォーマットへの対応が可能です。手書きの文字も読み取れるため、LLMが搭載されていない従来のOCRよりも幅広い活用方法が考えられます。

さらに、必要な項目だけを抽出することや、表記揺れの統一、出力の際の要約や整理も可能です。利用できる業務の幅も広がるため、この記事で紹介した活用できる業務も参考に、自社での導入も検討してみてください。

PATPOSTは、LLMを使ったOCRを搭載した文書管理システムです。書類の読み取りだけでなく保管や共有*にまでできる製品をお探しの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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* 取引先がPATPOSTを利用しているか、取引先に自社で契約したIDを付与する必要があります。なお、共有先企業にIDを付与するために自社の契約ID数を増やす場合は、別途1IDあたり年額15,360円(税抜)の負担が生じます

*記事の内容は、記事公開日時点の情報です。現在とは異なる場合があります。

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