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専門職を本来の仕事に戻す。人員配置の最適化を実現した生成AI...

一般財団法人淳風会

専門職を本来の仕事に戻す。人員配置の最適化を実現した生成AI-OCRによる医療バックオフィス改革

規模

: 300~499人

業界

: 一般病院

  • report_problem

    導入前の課題

    【処理時間】
    診療情報提供書の健診システムへの登録に、1枚あたり平均3分
    【体制】
    組織再編前 : 専門職約20名が定型的な登録業務に関与
    組織再編後 : 専門職2名、事務職2名の4名体制に集約。業務量は変わらないまま大幅減員
    【医療サービスの質】
    組織再編後は二次検査フォローが遅れ、受診者対応に支障が出ていた

  • lightbulb_outline

    PATPOSTを選んだ理由

    ・無償期間で、実際の診療情報提供書を使って読み取り精度を確認できた
    ・導入検証時に有人サポートを受けられ、帳票改善の提案まで相談できた
    ・書式改善により、読み取り精度が約40%から80%以上に向上した
    ・紙の並び順とCSV出力の順番を揃えられ、現場が確認しやすい運用を設計できた
    ・既存の健診システム本体を改修せず、PATPOSTとRPAの組み合わせで運用できた
    ・他社と比べてコスト優位性があった(他社の約5分の1の料金)

  • timeline

    導入の成果

    【処理時間】
    1枚あたり平均3分から1分20秒へ短縮(約56%削減)
    【体制】
    組織再編後の4名体制でも運用を継続できる状態を支援し、専門職18名を本来の仕事に戻した組織再編の定着に貢献
    【医療サービスの質】
    二次検査フォローを適切なタイミングで実施できる体制を回復

  • 淳風会健康管理センター 健康支援推進部 医療連携支援では、年間延べ27万人を超える健診受診者に対する二次検査フォロー業務を担っています。二次検査が必要と判定された受診者の受診状況を把握し、未受診者への受診勧奨まで行う重要な役割です。

    その中核となる業務が、二次検査を実施した医療機関から返送される「診療情報提供書」の処理です。年間約4万枚の診療情報提供書を1件ずつ開封し、内容を精査して健診システムへ登録する必要があります。医学的内容を正確に読み取る必要があるため、この作業は看護師・保健師などの専門職が担ってきました。

    ところが2025年1月、組織再編によって業務体制が大きく変化しました。専門職が本来の仕事に集中できる体制へ移行する方針のもと、それまで約20名の専門職が交代で担っていた業務は4名体制に集約され、うち専門職は2名のみになりました。限られた人員で大量の紙帳票を処理しながら、受診者フォローの質も維持しなければならない。現場には大きな負荷がかかっていました。

    今回は、この課題をどのように乗り越えたのか、執行役員 事業推進部 部長の菅野さまと、医療連携支援の保健師の大橋さまに伺いました。

    1章 再編直後に噴出した課題──「3カ月以内」の運用が、半年遅れになっていた

    登録遅延が、受診者の不利益に直結していた

    組織再編による人員縮小で登録作業が滞り、健診システム上で未受診者を正しく抽出できなくなったことで、適切な受診勧奨を行えない状態に陥っていました。

    本来、対象者には健診受診から概ね3カ月以内に二次検査を受診してもらう必要があります。そのため、未受診者には再度受診勧奨を行うのが基本運用です。しかし人手不足で登録作業の遅れが積み重なり、処理が最大で半年遅れになるケースも発生していました。

    「健診システムへの登録が追い付いていないので、すでに二次検査を終えている方に受診勧奨をしてしまうなど、受診状況をタイムリーに把握できず無駄な動きが多くなってしまった。受診者に不利益を与えていたと思います。」(大橋さま)

    医療バックオフィスでの書類処理の遅れは、最終的に医療サービスの質へ直結します。だからこそ、この業務を「単なる入力作業」と軽視することはできません。

    「対象の書類を探すところから始まり、入力に至るまでが苦痛でした」

    大橋さまが振り返るのは、PATPOST導入前の煩雑な日常です。

    「入力に至るまでの動作や時間が苦痛でした。手元の診療情報提供書の並び順と、健診システム上での並び順が全然違うので、入力対象の診療情報提供書を探すところから始まり、時間がかかっていました。」(大橋さま)

    1枚あたりの処理時間は平均3分。月平均3,300枚を処理するには、月165時間程度をこの業務に費やしていた計算になります。営業時間中は対人業務が優先されるため、登録作業はどうしても営業時間後に回り、残業増加の要因にもなっていました。

    2章 PATPOSTを選んだ3つの理由

    2025年4月、淳風会健康管理センターでは、AI-OCRとRPAを組み合わせた業務効率化プロジェクトを立ち上げました。インターネット検索をきっかけにPATPOSTを知り、他社3社ほどと比較検討した結果、AI-OCRツールはPATPOSTに決定しました。

    無償期間で、実際の帳票を使って精度を見極められた

    最初の決め手は、無償期間に実際の診療情報提供書で精度を確認できたことでした。

    AI-OCRは、帳票の種類や記入方法によって読み取り精度が左右されます。そのため、一般的なデモ画面だけでは、自院の業務に本当に使えるか判断しきれません。

    淳風会健康管理センターでは、実際の診療情報提供書を使って試すことで、運用に乗る見込みを得たうえで継続判断できました。

    読み取りだけでなく、帳票改善まで相談できた

    大きな決め手となったのが、導入検証時にPATPOSTの有人サポートを受けられたことです。

    他社では、有人サポートが期間限定だったり、有料対応だったり、そもそも提供していないケースもあったといいます。その点、PATPOSTは導入段階からサポートを受けられたことが、安心感につながりました。

    「知識がない中で準備するのは難しいと思いました。PATPOSTは利用方法などいろいろ教えていただいたり、診療情報提供書をAI-OCRが読み取りやすい書式に変更する提案までしていただいたので、とてもありがたかったです。」(菅野さま)

    使用開始時点の読み取り精度は、約40%にとどまっていました。しかしPATPOST担当者へ相談したところ、精度を引き下げている要因は、既存の書式がAI-OCR向きではないことにあると判明しました。

    そこで、読み取りたい項目を明確に区分けし、手書き記入欄をチェックボックス形式に変更。さらにチェックボックスの枠を太くするなど、AIが認識しやすい設計への改善が提案されました。

    こうした支援により、読み取り精度の課題をツール側の調整だけで解決しようとするのではなく、帳票と運用の両面から改善できました。現場で使える精度まで引き上げられたことが、定着につながったポイントです。

    これらの改善はPATPOST担当者と相談しながら進められたため、顧客側でOCRの専門知識を持つ必要はありませんでした。

    こうした見直しの結果、読み取り精度は80%以上まで向上しました。淳風会健康管理センターでは、任意型健診(人間ドック)では自院指定の書式を使えるため、外部調整なしで書式改訂を進められたことも奏功しました。新書式への切り替えについて、菅野さまは「医療機関側への影響は特にありませんでした」と振り返ります。

    コスト面でも、既存システムを活かす構成でも導入しやすかった

    3つ目の理由は、費用対効果です。他社サービスはPATPOSTの5倍程度の料金水準でした*。
    医療機関では高額な医療機器への投資は比較的進む一方、バックオフィス業務の効率化には予算をかけにくい現実があります。そうした環境でも導入しやすい料金だったことが、大きな決め手になりました。

    *取材当時(2026年4月)の料金

    また、PATPOSTで読み取ったデータをCSV出力し、RPAで健診システムへ登録する構成により、健診システム本体を大きく改修せずに運用できる点も、導入しやすさにつながりました。

    3章 運用フローと導入成果

    PATPOST活用ポイント

    本事例でのPATPOST活用ポイントは次のとおりです。

    機能

    本事例での役割

    生成AI-OCRによる帳票読み取り

    診療情報提供書の記載内容を自動で読み取り・データ化

    指定項目の自動抽出

    受診者ID・氏名・健診受診日・医療機関名など10〜11項目を抽出

    CSV出力

    データの並び順を紙の診療情報提供書順に揃えて出力し、チェック工数を削減

    RPA連携

    確認・補正したCSVを健診システムへ自動入力

    帳票改善支援(有人サポート)

    PATPOST担当者が書式最適化を提案し、読み取り精度を向上

    PATPOSTとRPAを組み合わせた処理フロー

    現在の運用フローは次のとおりです。

    1. 診療情報提供書をPATPOSTにアップロード

    2. 読み取った明細データをCSV出力

    3. 空欄や内容に不備のある箇所を人が確認・修正

    4. 完成したCSVをRPAが健診システムへ自動入力

    残る確認・補正が必要な箇所の多くは、手書き文字そのものよりも、チェックボックスの塗りつぶしや丸印など、記入方法の揺らぎによるものでした。この部分は人の目で確認・補正する運用にしています。

    「手書きの分かりにくい文字は、AIも読めないのではと思っていました。でも実際にやってみると、思っていた以上に読めるというのが正直な感想でした。」(大橋さま)

    処理時間は約56%削減

    導入後、診療情報提供書1枚あたりの処理時間は、平均3分から1分20秒へ短縮しました。さらに、開封やスキャンなど内容確認以外の周辺作業を事務職2名が担当することで、専門職は専門知識が必要な確認作業に集中できるようになりました。

    指標

    導入前

    導入後

    平均処理時間(1枚)

    3分

    1分20秒(約56%削減)

    対応体制

    専門職20名(交代制)

    組織再編後の4名体制でも運用を継続できる状態にした

    「PATPOSTに変わってからは、CSV出力時にデータの並び順を紙の診療情報提供書の並び順と揃えられるようになりました。書類を上から順番に見ていけばよくなり、無駄な動きがなくなりました。1つの画面でチェックできるのもメリットです。導入前は同じ30枚を処理するのに専門職が3人ほどの複数の目で確認する工程が必要でしたが、今はAIが2人分くらいを担ってくれるので、私1人の目で確認が終えられるようになりました。」(大橋さま)

    削減できた時間を、受診者フォローに充当

    削減できた作業時間は、本来業務である受診者対応に充てられるようになりました。

    「電話がつながっている時間はそこに集中できるので、より多くの対話ができるようになると感じます。」(大橋さま)

    タイムリーに受診状況を把握できるようになったことで、未受診者フォローの精度も向上しています。専門職が入力作業に追われていた時間が、受診者との対話や未受診者の把握といったコア業務に振り向けられるようになった点は、数字以上に大きな成果です。

    ROIは初年度122%、2年目以降211%を試算

    処理時間削減効果をもとに、費用対効果(ROI*1)を試算しました。

    年間約40,000枚の診療情報提供書のうち、PATPOSTとRPAを組み合わせた運用の対象となった28,000枚について、入力作業の削減工数を人件費に換算しています。その結果、年間削減工数は約778時間、人件費換算*2では年間約155万円相当の効果が見込まれます。初年度の導入費用は、スキャナー導入費20万円とPATPOST利用料50万円*3の合計70万円を見込み、初年度ROIは約122%。2年目以降はPATPOST利用料50万円のみとなるため、ROIは約211%と試算しています。

    *1 ROI=(年間削減効果 − 投資額)÷投資額
    *2 人件費は1時間あたり2,000円で試算
    *3 取材当時(2026年4月)の料金。現在の1IDあたり月額1,500円(税抜き)に置き換えた場合、PATPOST利用料は年54万円、初年度ROIは約110%、2年目以降ROIは約188%

    4章 タイムリーな受診者対応と、コア業務への集中

    半年遅れが「10日で登録」へ

    業務のスピードが向上したことで、医療サービスの質も回復しました。

    「組織再編直後は半年ほど放置せざるを得ないこともありましたが、今は3月末に届いたものを4月10日には処理できています。10日程度で登録できるようになり、タイムリーに受診者の方と対話でき、未受診者の把握もできるようになりました。受診者と私たちの双方にメリットが大きいと思います。」(大橋さま)

    コア業務である受診勧奨や、タイムリーなフォロー対応に集中できる体制が戻ってきました。

    健康支援推進部 医療連携支援で、データの確認や受診者フォローを担う入江優さま

    専門職は、専門性を発揮する仕事へ

    菅野さまは、この取り組みを単なる効率化ではなく、組織の持続可能性の問題として捉えています。

    「ライセンスを持っているスタッフは、そのライセンスを使う仕事に回っていただかなければいけません。医療は人がしないと成立しないサービスです。その人たちが半分以上を事務作業に使っていたら、人手不足で事業として成立しなくなります。だからこそ、効率化できるところはどんどん効率化することが、継続的な事業運営には必要だと思います。」(菅野さま)

    5章 今後の展望

    受診者アンケートへの活用も検討

    大橋さまが次に見据えるのは、人間ドック受診者アンケートへのPATPOST活用です。これまで目視で確認し、手入力していたアンケート結果をPATPOSTで読み取り・データ化できれば、さらなる効率化が期待できます。

    社内DXプロジェクトで全社展開へ

    菅野さまは他部署への水平展開も進めています。2026年1月には社内でDX推進プロジェクトがスタートし、全部署で紙を使った作業の洗い出しが進められています。

    「作業の洗い出しで挙がってきているのが、請求書受領後の処理です。今回は帳票内容の読み取りが中心でしたが、今後は『特定項目があればピックアップする』といった別の使い方も考えられます。今後テストしながら展開したいと考えています。」(菅野さま)

    医療バックオフィスが、生成AI活用を考えるときの視点

    この事例が投げかけるのは、「専門職が本来やるべきでない仕事に、どれだけ時間を使っているか」という問いです。

    人手不足が構造的な課題となる今、ライセンスを持つ専門職が、事務作業に追われている状態は、医療現場においては医療サービスの質そのものを脅かします。

    「AIはどんどん使っていかないといけないと思います。うちの社風は『とりあえずやってみよう、駄目ならやめればいい』。医療機関はそこがハードルになりやすいかもしれませんが、まずやってみることが大事です。」(菅野さま)

    「まずやってみる」という一歩が、受診者への迅速なフォローと、専門職が本来の仕事に集中できる環境の両立につながりました。同じような課題を抱えている方にとって、この事例が検討のきっかけになれば幸いです。

    この事例で実現できたこと

    ✔ OCR入力工数 約56%削減(1枚あたり3分→1分20秒)

    ✔ 作業時間を年間約778時間削減見込み

    ✔ 初年度ROI:122%、2年目以降:211%と試算

    ✔ 専門職のコア業務(受診者フォロー・保健指導)への回帰

    ✔ 二次検査フォロー体制の回復(半年遅れ→10日で登録)

    ✔ 健診システム本体の改修は行わず、PATPOST+RPA+運用改善で実現

    紙帳票の処理や専門職の工数逼迫に課題を感じている方は、まずはPATPOSTの資料をご覧ください。

    企業情報

    会社名

    淳風会健康管理センター

    業種

    医療・健診センター

    従業員数

    440名

    設立年

    1956年

    施設の特徴

    予防医療・地域医療・慢性期医療を3本柱に、消化器内視鏡検査に強みを持ち、健康管理センターとの両輪体制で地域住民に寄り添った医療を提供されています。

    ホームページ

    https://junpukai-h.jp/

    ※記事内容・企業情報はインタビュー当時(2026年4月)のものです。

    ※PATPOSTの契約条件(利用料金など)は、記事公開日時点の情報です。 現在とは異なる場合があります。

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