近年は生成AIの進化により、一定の判断を伴う事務作業にもAI活用が広がっています。AI活用は、人手不足や業務の属人化に悩む企業の助けとなる一方で「どこから手をつければいいのか」「本当に効果的なのか」など、悩む企業も多いのではないでしょうか。この記事ではAIを使った事務作業の現状や、AIを導入するにあたって注意したいポイントなどを体系的に解説します。業務効率化を現実的に進めたい方は、ぜひ参考にしてください。%3Cstyle%3E%0A.index%7B%0Afont-family%3A%20%22Arial%22%3B%0Abackground-color%3A%23f2f7f8%3B%0Apadding%3A%200px%3B%0Apadding-left%3A%2048px%3B%0Apadding-top%3A%2024px%3B%0Aborder-width%3A%203px%3B%0Afont-size%3A%2020px%3B%0Afont-weight%3A%20700%3B%0Amargin-bottom%3A%200px%3B%0Acolor%3A%20%2300636c%3B%0A%7D%0A%40media%20screen%20and%20(max-width%3A%20540px)%20%7B%0A.index%7B%0Afont-size%3A%2016px%3B%0Apadding-left%3A%2016px%3B%0A%7D%0A%7D%0A%3C%2Fstyle%3E%0A%3Cbody%3E%0A%3Cdiv%20class%20%3D%20%22index%22%3E%E3%80%90%E7%9B%AE%E6%AC%A1%E3%80%91%3C%2Fdiv%3E%0A%3C%2Fbody%3E1. AIが事務作業に注目されている背景まずは、なぜ今ビジネス上でAIが注目されているかを確認しましょう。背景には、深刻化する人手不足という構造的課題と、従来のRPAとは根本的に異なる生成AIの登場という2つの要因があります。1-1. 人手不足により、業務の負担感が課題に日本では少子高齢化の進行により、労働人口の減少が深刻な問題となっています。内閣府の資料(令和4年版)によると、生産年齢人口(15~64歳)は1995年(平成7年)をピークに下がり続け、令和11年には7,000万人を割り込むと推計されています。実際に人手不足を原因とした倒産件数は2025年度に400件以上、3年連続で過去最多を更新しています。また、短時間労働者(パート・アルバイト)の増加や、働き方改革・36協定特別条項の上限規制、週休2日制の普及なども重なり、企業はこれまで以上に限られた人員と時間で業務をこなす必要に迫られるようになりました。特に事務部門では書類管理やデータ入力など、正確性が求められる業務が多くあります。こうした業務は属人化しやすく、担当者の退職や異動によってブラックボックス化したり、引き継ぎが困難になったりするケースも珍しくありません。こうした課題に対応すべく、AIによる自動化・効率化への関心は急速に高まっています。参照:「令和4年版高齢社会白書」|内閣府https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf人手不足倒産の動向調査(2025年度)│帝国データバンクhttps://www.tdb.co.jp/report/economic/20260409-laborshortage-br25fy/1-2. 生成AIの登場で「自動化の幅」が広がった従来、事務作業の自動化といえば、ルールに沿った定型処理を行うRPAや、文字認識を行うOCRが主な選択肢でした。しかし2023年以降、生成AIの急速な普及によって状況は大きく変わっています。以下の表に両者の違いを整理します。RPA・OCR(識別系)生成AI(言語モデル)得意領域定型処理の正確な繰り返し文章要約・下書き・アイデア出し適用範囲ルールが明確な定型業務判断を伴う非定型な業務入力データ形式の決まった帳票や数値自由な文章(メール・資料など)や様々な形式が混在する帳票現在のビジネスの現場では、RPAやOCRで定型業務を自動化しつつ、生成AIで判断や文章作成を含む非定型業務を効率化するハイブリッド活用が広がりつつあります。総務省「令和6年版 情報通信白書」の企業アンケートでは、日本企業の約4割が生成AIを業務に活用していると回答しており、文書作成・資料作成補助での利用が約47%に上ります。参照:総務省|令和6年版 情報通信白書|企業向けアンケート — AI導入企業の増加傾向を報告https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd151120.html2. AIで自動化・効率化できる代表的な事務作業ここからは、AIを使って自動化・効率化できる代表的な事務作業を4つ紹介します。自社で取り組みやすい領域を見つける参考にしてください。2-1. データ入力事務作業の中でも特に時間を要するのが、データ入力です。単純作業でありながら正確性が求められるため、担当者の集中力を消費しやすい業務とも言えます。そこで活用できるのが、紙の書類をスキャンするだけで文字をデータ化できる「AI-OCR」です。例えばAI-OCR搭載の文書管理サービス「PATPOST」は生成AIを搭載しており、書類のデータ化だけでなく、さまざまな文書データから欲しい情報だけを抽出し、まとめることができます。月末に集中しやすい請求書処理などの作業時間を圧縮でき、電子帳簿保存法の法的要件を満たした運用*も同時に行えるのが特長です。* 電子取引データ保存の場合は、別途、訂正・削除防止に関する事務処理規程の制定・遵守が必要となります2-2. 文書作成契約書、稟議書、報告書、社内通知文など、文書の作成にも生成AIは活用できます。チャット型生成AIのなかにはPDFやWord(.docx)など、ファイル形式を指定できるものもあります。事前にテンプレートや背景情報を伝えておくことで、より自社に合った出力が可能です。なお、社外秘や個人情報を含む文書をAIに入力する場合は、自社の情報セキュリティポリシーで許可された製品を使う必要があります。2-3. 問い合わせ対応「就業規則のあの条項どこだっけ」「経費規程の上限いくらだっけ」など、社内規程・マニュアル類への問い合わせは、総務・人事・情報システム部門の工数を少しずつ消費する傾向にあります。また顧客にとっても不明点について問い合わせを行ったり、回答を待ったりする時間は負担であり、こうした使いにくさが顧客離れの一因になることもあります。そこで活用できるのが、AIのチャットボットや電話受付です。問い合わせをAIが受け一次対応を行うことで、社内の問い合わせ担当者は複雑な質問の個別対応に集中できます。また質問者も自己解決しやすくなります。2-4. 議事録作成会議の議事録作成は、多くのビジネスパーソンが負担に感じている業務のひとつです。参加者が議論に集中しながら正確に記録を取る必要があり、抜け漏れや論点のズレが生じることもあります。しかし現在は「音声を認識してリアルタイムで文字起こしする」「要約や決定事項、アクションアイテムをまとめる」といった業務を行えるAIが登場しています。また文字起こしデータを一元管理することで、過去の会議内容を横断的に文字検索できるようになり、ナレッジの蓄積や再利用がしやすくなります。3. 事務作業にAIを導入することのメリットAI導入のメリットは、目に見えるコスト削減だけにとどまりません。本項では得られる効果を2つの段階に分け、具体的な事例とともに紹介します。3-1. 第一段階:既存業務を効率化できる生成AIが登場したことで、従来人間にしかできなかった「読む・理解する・判断する」というプロセスの一部を、生成AIが代替できるようになりました。実際の例を見ていきましょう。Microsoft Copilotを全社導入した株式会社東芝は、従業員一人あたり月5〜6時間の業務時間を削減。従来3カ月かかっていた顧客コメントの分析を、1日で完了できるようになったと報告しています。生成AIを導入した大阪府泉大津市では、約7カ月の期間中に2,102時間・約470万円の削減を報告。またAI-OCR搭載の文書管理サービス「PATPOST」でも、1案件あたり1〜2時間かかっていた入力作業が数十分に短縮した事例があります(詳細はこちら)。AIは適切な設計・運用を行えば、一定水準で安定的な出力ができ、人間よりも早い処理が可能です。このことから定型性が高く、繰り返し発生しやすい事務作業を中心にAIを活用することで、業務効率化が期待できます。参照:「東芝再興計画」実現に向け、“稼ぐ力”を強化するために Microsoft 365 Copilot を従業員 1 万人に導入。業務プロセス全体の効率化へ活用シーンを拡大(Microsoft)株式会社グラファーとの「生成AI導入による行政業務効率化」に関する実証実験結果について(大阪府泉大津市)3-2. 第二段階:AIと人間の分業体制で「質」を上げることができるAIを適切に導入できると、従業員の作業時間を減らすことができます。すると「機械化する業務」と「人間が行うべき業務」を適切に区分けできるようになり、人間はより創造的で判断力を要する業務に集中できるようになります。例えば、次のような分業が成立します。(例)業務AI人間データ分析集計、可視化、提案データの解釈、戦略立案顧客対応一次受け、定型的な問い合わせ複雑な案件、クレーム対応経理業務紙帳票のデータ化、仕訳の自動化データの最終チェック、月次決算の精査、経営判断につながる分析このような分業体制は、業務の効率化に加え「質」も引き上げることができます。例えば経理担当者であれば、「入力作業」から「異常値確認・分析」へ役割が変化するなど、人が担う業務の質を高めやすくなります。また属人的だった業務も、AIの導入を機に再定義して標準化できるため、担当者ごとに発生していた品質のブレを減らすことが可能です。4. AI導入を成功させるコツAIは導入するだけで自動的に成果が出るものではありません。導入の進め方を誤ると、製品が現場で使われなかったり、効果を実感できずに終わったりすることもあります。ここではAI導入を成果につなげるための4つのコツを紹介します。4-1. <業務選定>AIに向く業務を「3つの軸」で見極めるAIの導入を漠然と考えているものの、どこから着手するか迷ってしまうケースもあるかもしれません。そんな時は、次の3つに当てはまる業務から導入を検討してみると良いでしょう。処理量が多く、反復性が高い処理のフローをルールベースで分岐させることができるAIによる影響範囲が限定的で、後で人間の確認や修正ができるこの3軸を満たす業務ほど、AI導入の効果が出やすく、リスクも管理しやすくなります。特に書類のデータ化業務(請求書・領収書・契約書など)は発生頻度が高く、処理ルールが法令やフォーマットで明確化しやすく、入力ミスは後工程でチェック・修正できます。AI活用の一歩としても、AI-OCRシステムの導入はおすすめです。4-2. <業務設計>AIの限界を知り「確認」のフローを組み込むAIは「大量・反復」でも疲れずに動作できますが、ときにハルシネーション(事実に基づかない情報の生成)を起こすことがあります。ミスにより生じた損害の責任は人や企業に帰結するため、判断と責任は手放さないように設計することが大切です。AIの導入は、必ず人間が確認する前提で検討しましょう。人間が確認するタイミングには次のようなものがあります。リサーチ時:参照元や出典を出力させ、根拠が確認できないものは採用しないAI-OCR利用時:読み取り内容を原本と並べてチェックする文書生成時:顧客や社外に送る前に担当者がレビューする4-3. <安全設計>情報セキュリティ・ガバナンスに配慮するAI製品にデータを送信する際には、情報セキュリティへの十分な配慮が必要です。特に生成AIは入力したデータがモデルの再学習に使用されるリスクがあります。以下の点を事前に確認しましょう。再学習のオプトアウト設定の有無 IPアドレス制限・二要素認証・操作ログ管理の有無また、製品の機能が整っていても、組織としての利用ルールがなければ現場の逸脱が起こりやすくなります。特に見落とされがちなのが、委託先・外注先へのルールの適用です。また社内でも個人利用と業務利用の境界が曖昧になるケースもあるため、これらも含めた組織としてのガバナンスルールを策定し、社内規程に沿った運用を徹底しましょう。4-4. <実行・検証>スモールスタートで効果を検証するAIの導入は特定の部署や業務に絞り、小さく始めることが推奨されます。最初から対象範囲を広くすると効果検証の前に運用負荷が膨らみ、現場の混乱を招きやすいだけでなく、システムが合わなかった際の切り替えコストが大きくなってしまうためです。例えば経理部門にAI-OCRを導入する場合「最初は請求書処理で1〜2カ月運用して効果を測定し、徐々に契約書管理や経費精算などへ範囲を広げていく」といった方法が効果的です。一つの業務で成功体験を作れば現場の抵抗感も下がり、横展開がスムーズになります。また導入効果を前後で比較・検証するために、導入前に「現在の指標」を記録しておきましょう。例として以下のような指標があります。定量指標:処理時間、エラー率、差し戻し件数、残業時間定性指標:担当者の負担感、使いにくさを感じるか否か導入後に同じ指標で比較すれば、経営層への報告材料にも、次の展開を決める判断材料にもなります。よくある質問と答え(Q&A)AIの事務作業活用についてよくある質問をご紹介します。Q.AIで事務作業はどこまで自動化できますか?A.データ入力、書類作成、メール返信の下書き、議事録作成、スケジュール管理など、定型的な事務作業の多くは自動化・効率化が可能です。ただし、高度な判断や感情的配慮が必要な業務は人間が担う必要があります。Q.中小企業でも導入できますか?A.はい、導入可能です。むしろ人手不足が深刻な中小企業こそ、AIによる業務効率化の効果は大きいといえます。AI-OCR搭載の文書管理サービス『PATPOST』のように、大規模なシステム開発が不要なクラウドサービスを利用すれば、比較的低コストかつ短期間で導入することができます。そのほか、書類の作成補助や社内の情報管理、電子帳簿保存法の法的要件を満たした運用*など、特定の業務からスモールスタートすることも可能です。*電子取引データ保存の場合は、別途、訂正・削除防止に関する事務処理規程の制定・遵守が必要となりますQ.事務作業にAIを活用する際の注意点は?A.もっとも重要なのは情報セキュリティの確保です。特に生成AIを利用する場合は、入力データの取り扱いポリシーを確認し、機密情報の漏洩リスクに備える必要があります。AI-OCR搭載の文書管理サービス『PATPOST』はセキュリティに配慮した環境が整備されており、安心して業務に活用いただけます。PATPOSTのセキュリティ対策についての詳細はこちらをご覧ください。Q.導入効果はどう測ればよいですか?A.導入前後で処理時間・エラー率・残業時間などを定量的に比較するのが基本です。ただし使用感など定性的な要因も定着率や効率性に影響するため、アンケートやヒアリングを通じ負担軽減度を測ることも有効です。まとめAIによる事務作業の自動化・効率化は、人手不足や業務量増加といった構造的課題の解決策として、今や多くの企業が取り組むテーマとなっています。一方「どの業務にAIを導入すればいいか」迷われるかもしれません。まずは発生頻度が高く、ルールが明確で、後工程でのチェックが効く業務から着手すると良いでしょう。とくに「AI-OCRによる書類のデータ化」は導入がしやすく、AI活用の第一歩としておすすめです。AI-OCR搭載の文書管理サービス「PATPOST」は、生成AI-OCRによって請求書・領収書・契約書などの非定型帳票をデータ化。煩雑化しやすい書類を一元管理するだけでなく、月末に集中しがちな入力業務の負荷を軽減できます。また、全文検索やキャビネット共有*1にも対応。電子帳簿保存法の法的要件を満たした運用*2も可能です。PATPOSTの法人プランでは1カ月の無料期間をご用意(無料期間内であればいつでも解約申し込み可能)しているので、まずは無料期間からお試しください。お申し込み方法はこちら面談予約はこちら*1取引先がPATPOSTを利用しているか、取引先に自社で契約したIDを付与する必要があります。*2電子取引データ保存の場合は、別途、訂正・削除防止に関する事務処理規程の制定・遵守が必要となります執筆者プロフィールデータサイエンティスト武藤 祐典(むとう ゆうすけ)銀行における営業を経てIT業界へ転身。大手通信事業者でのデータサイエンティスト経験を経て独立。主に、テレビ局におけるデータ分析・AI活用支援、AI専門メディアにおけるテクニカルライティング、AI人材育成会社における研修講師登壇に従事している。